デザインを行う上で、現場を見ることが重要だと言われています。新しい製品のデザインであれば想定ユーザの振る舞いを、空間や街づくりであれば、実際にその様子を歩きまわって観察し問題点や改善点についてメモをとることが有効です。自分たちが使うモノ・場所をデザインするのであれば、自分たちが何をしたいのかをじっくり内省する必要があります。そして得られたメモを議論を通じてまとめ上げ、本質的な問題が何かを見つけ出さなくてはなりません。この一連の作業をコンピュータに助けさせることは可能でしょうか。カメラや各種のセンサーとデータ分析技術を用いて、ユーザの行動や観察者の観点を分析し、関連情報を提示することで気付きメモの作成や整理を支援するシステムの研究を行っています。
他者との視点共有により観察者の視点の内省と拡張を促す2段階グループフィールドワーク手法
観察調査では様々な観点からフィールドを網羅的に見ることが求められますが,ついつい自分の興味のあるものだけを見てしまいがちです.他のチームメンバーがフィールドのどこをどのように見ているかを知ることで,自分が暗黙のうちに前提としている視点に気付き,視点を広げられるような手法とシステムを提案します.詳しくはこちら(執筆中).
実施者:澤田(JAIST)、吉松(JAIST)、高島、西本(JAIST)
プロトタイプを擬人化しユーザと対話させることで率直な意見を取得する手法
ユーザテストでは,開発したプロトタイプをユーザに使ってもらい,改善のヒントとなるような様々な意見をもらいます.しかし実験室で開発者が同席の下でテストを行うと,ユーザがつい遠慮してしまい,率直な感想が得られなくなってしまう場合があります.これに対してプロトタイプ自体をエージェント化し,直接ユーザと会話しながら意見を得る方法を模索しています.現時点ではThink Aloud法(頭の中を実況中継しながらプロトタイプを使ってもらう方法)の補助としての利用ですが,将来的にはプロトタイプがユーザの生活に入り込んでいき,会話の中で自然にデータを取ることを目指しています.詳しくはこちら
実施者:吉松(JAIST)、高島、西本(JAIST)